05585-190803 オープンキャンパスで模擬授業「サッカーのルールで民法がわかる!!」をいたしました
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shio.iconは8月3日に下記の二つを担当しました。
「体験授業」:11:45〜12:30 / 8-101教室
「学部個別説明コーナー」:10:30〜16:30 / 本館大講堂
学部個別説明コーナーの方は、ブースに常駐して、訪れる高校生、保護者の方々から個別にご質問を受け、ご説明申し上げる役割。高校生からのご質問は多岐に及びます。覚えているだけでも下記のとおり。
法律学ってどんな学問なのか。
法律は何が面白いのか。
法学部は何をするところか。
法律学科と政治学科はどう違うか。
法律学科はどのようなことをするのか。
公務員試験を受けるためには法律学科と政治学科、どちらが有利か。
起業したい場合、法学部(法律学科)と経営学部、どちらがふさわしいか。
議員の政策秘書になるには法律学科と政治学科、どららがふさわしいか。
法学部(法律学科)はなぜ資格試験に有利なのか。
法学部在学中にどのような資格が取れるか。
国家試験対策室などはあるか。
卒業生はどんな進路に進んでいるか。
ゼミではどのようなことをするか。
授業はどんな様子か。
奨学金は充実しているか。
どのようなロースクールにどのくらい進学しているか。
指定校推薦入試のためにはどのような準備をしておけばいい。
AO入試にはどのような対策が有効か。
入学が決まったとしたら、そのあと入学まで何をするのがいいか。
shioゼミに入りたい!!
といった感じ。すべて具体的に、例を示しながらご説明。
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一方、「体験授業」では「サッカーのルールで民法がわかる!!」とのテーマで授業いたしました。受講者は120名ほど。いつものようにScrapboxで資料配布し、対話によって授業を展開していき、民法の条文を実際に読みながら、民法の面白さをお伝えしました。
shio.iconの問いかけに、最初は発言を躊躇していた高校生たちでしたが、次第に挙手と発言が増える。保護者の方々も挙手するほど。みんな前のめり。目が輝いていきます。後半は問いかけると挙手せずにみなさん同時に返答するまでになり、「対話」による教室が現出。shio.iconがいつも大学で行なっている授業そのものです。 授業開始時、参加した高校生に民法の印象を聞くと「硬い」、「厳しい」、「人を拘束する」、「難しい」といった意見が出ました。高校生に対する授業で法律の印象をきくといつもそんな感じ。それが45分の授業終了後、「面白かった」、「法律のイメージがまったく変わった」、「法律がこんなに身近だとは知らなかった」、「思っていたのと全然違った」といった感想の変化。これもいつものこと。 「経済学部」とか「文学部」とか聞いてなんとなく抱くイメージは、実際に大学で学ぶ内容とそんなに大きな隔たりはないと思います。中学高校の「公民」、「現代社会」、「政治・経済」といった科目で「経済」の基礎を学びますし、「現代国語」、「古文」、「漢文」、「英語」といった科目で「文学」の基礎を学んでいるからでしょう。
しかし、高校までで「法律」を学ぶ機会は非常に少ない。「憲法」は学びますが、憲法は法律ではありませんし、「政治・経済」で「特定商取引法」や「消費者契約法」といった枝葉の法律は教科書に出てきますが、法律の幹である「民法」は不思議なことに教科書に登場しない。
だから、高校生の「法律」に対するイメージはとても曖昧。多くの高校生は、ネガティブなイメージを抱いています。その原因は、高校の「校則」にあるのかもしれません。校則は生徒を拘束する側面が強い。学校によって程度の差がありますが、生徒の自由を束縛する性質を帯びていることが多い。
でも本物の法律は違います。法律の真の目的は「人々の自由と幸福を最大化する」ことにあります。憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しています。一人一人を個人として尊重し、多様性を尊び、その生命は当然として、自由や幸福追求を最大限尊重するのだと宣言しているのです。
その憲法を受けて国会が立法した(憲法41条)のが法律。だから法律は、人の個性と人々の多様性を尊重します。公共の福祉に反しない限り、人の自由を最大化し、幸福を最大化することを目的としています。拘束したり束縛するなんて、真逆。
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そういうことを実際に民法の条文を使って、一緒にその読み方を学びながら紐解いていく。すると30分もあれば高校生も法律の真の姿を思い描けるようになります。面白くなっていきます。もっと知りたくなります。自分で条文を使えるようになりたくなります。さらに大学では、自分で条文を作れるようになっていきます。
すべてのビジネスは契約で成り立っています。契約するということは契約の当事者が自分たちだけに通用する超ローカルルールを作ることですから、「ルールを作れるようになる」ことが法律学科の目標の一つ。また実際に議員になった卒業生たちは、日々、条例や法律を作る仕事の中で、法学部で学んだ「ルールづくり」の法律学を駆使しています。
民法にはビジネスのルールの基礎がすべて書かれています。それを理解したうえでそれを上手に使い、そこに規定されていないことは自分たちで自分たちのルールとして契約条項に規定する。そのようにビジネスをするとき、自分でルールを作れる方が強い。ルールはいつもそれを作った側が有利になるように作るものだからです。他人が作ったルールに乗るより、自分でルールを作れる方が強い。有利。儲かる。楽しい。幸せ。
法律学とはそういう学問です。優れてクリエイティブな学問です。未来を切り開く手段です。知識ではなく知恵の学問です。法学部法律学科で、法律の真の姿を描き上げ、自分で使えるようになり、自分で作れるようになると、楽しい。面白い。
shioゼミの学生たちはそれにのめり込んでいます。だからすでに期末試験が終わって夏休みに入っているにもかかわらず、連日大学に集まって自主ゼミをやっている。楽しいから。面白いから。もっと研究したいから。 Macを持って集まり、Scrapboxを開き、自分で論述を起案し、友人の起案にコメントを記載し、口頭で説明し、質問し、また論述する。その繰り返しによって、法的な論理力、論述力、構成力、文章力、語彙力、言葉を正確に使い分ける力などが磨かれる。 4年間、それを続けた学生たちの文章力は驚くほど伸長します。同時に、法律問題の本質を考え続けているため、思考力が研ぎ澄まされ、価値観を磨き、成長していきます。物事の本質も見極める力がついていきます。顔が変わります。表情が変わります。凛然とします。
その結果、例えば在学中に法律系の資格試験に合格する。就職ではいくつもの内定をいただき、どうやって断るか悩む。トップクラスのロースクールに複数合格する。それも学費全額免除、半額免除といった特待生として合格する。就職後、数年で起業する。etc...
そんな未来が待っています。shioゼミの精鋭たちは、shio.iconが「〇〇せよ」なんて指示する必要がまったくない。自ら研究し、考え、書き、ゼミの友人たちと議論し、コメントをもらい、軌道修正しながら結論を出していく。それを書き、口頭で説明するとshio.iconが褒める、疑問を呈する。また考える。書く。ゼミの友人と議論する。またshio.iconに投げかけてみる。その繰り返し。
ゼミは学生たちが自律的に運営する。だから組織運営の基礎も経験する。自分たちで運営するから、ゼミ生たちが自立していく。本当に顔が変わります。凛々しい。
そんな学生たちの成長こそ、shio.iconの喜び。成長した姿こそ最大の成果です。「教育の質を評価する」ことが求められる世の中、彼らの実力の伸長は論述の変化を見れば明らかですが、それにも増して、精神的成長が顔に表れています。頼もしい。
これからもshio.iconは学生たちポテンシャルを引き出す(education)働きかけを続けながら、彼らの成長をニコニコ見守っていきます。
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